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2013年1月

ましろ第40話

 「どうしてさ?」

とにかくきいてみた。

「線路が流されて、汽車が通らなくなったの。それに、志津川からバスだとめっちゃ時間かかるし。ちょうど、気仙沼におばさんがいたから、家族みんなで身を寄せて、おばさんちから通うことにしたんだ。」
私は沈黙してしまった。いくら何でも、こんなに言葉に困るのは初めてだった。大変だったね、なんて失礼だし、みんなが挨拶のように使う。それに、鹿折に住む私が言ったら余計気を悪くされる。
「そりゃあ、反応しづらいよね。家が流れた子も結構いるし。」

明日香がフォローした。

「絵里奈も大変だったでしょ。みんなキツいよ。」

そっと肩に手を置いてくれた。胸の中の、何か騒々しい感じが治まってきた。弟がトラウマで苦しむ姿、家を流され家族を失って泣いた時。家族みんなが必死にもがいていた。心がマヒするくらい。
 「でも、こうして再会できて良かった。もうすぐ学校だ!」

作り笑いして、明日香の手を引く。

「どしたの?」

「とにかく、あたしたちは受験生なんだし、早く学校に行かなくちゃね。」

精一杯の演技をする。せめて、友達と一緒にいる間だけは、家のことを忘れていたかった。

☆・-――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――-・☆サイドトーク:久しぶりのアップです。疲れています。

そう言えば、今年も「震災を詠む」に参加します。歌の内容がかなり病んでて救いようがありません。

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