ましろ第40話

 「どうしてさ?」

とにかくきいてみた。

「線路が流されて、汽車が通らなくなったの。それに、志津川からバスだとめっちゃ時間かかるし。ちょうど、気仙沼におばさんがいたから、家族みんなで身を寄せて、おばさんちから通うことにしたんだ。」
私は沈黙してしまった。いくら何でも、こんなに言葉に困るのは初めてだった。大変だったね、なんて失礼だし、みんなが挨拶のように使う。それに、鹿折に住む私が言ったら余計気を悪くされる。
「そりゃあ、反応しづらいよね。家が流れた子も結構いるし。」

明日香がフォローした。

「絵里奈も大変だったでしょ。みんなキツいよ。」

そっと肩に手を置いてくれた。胸の中の、何か騒々しい感じが治まってきた。弟がトラウマで苦しむ姿、家を流され家族を失って泣いた時。家族みんなが必死にもがいていた。心がマヒするくらい。
 「でも、こうして再会できて良かった。もうすぐ学校だ!」

作り笑いして、明日香の手を引く。

「どしたの?」

「とにかく、あたしたちは受験生なんだし、早く学校に行かなくちゃね。」

精一杯の演技をする。せめて、友達と一緒にいる間だけは、家のことを忘れていたかった。

☆・-――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――-・☆サイドトーク:久しぶりのアップです。疲れています。

そう言えば、今年も「震災を詠む」に参加します。歌の内容がかなり病んでて救いようがありません。

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ましろ第39話

 坂をピュッと降り、その勢いで国道を走った。いつもなら海の方を通るが、心もとなくて、国道を走った。長い坂道では自転車を降りて押し、トンネルの目の前でまた乗った。

 トンネルの中は、いろいろな車がひしめき合っていた。自衛隊のトラック、警察車両、赤十字の車など。私は、ペダルを踏むスピードを緩めた。
 トンネルを三つくぐると、青空が広がっていた。ペダルを踏むスピードを速めた。とにかく、すぐに友人に会いたくなった。
 ガソリンスタンドの近くの交差点で、力強く左折した。そこからスーパーの入り口までは勢いだけで降り、そこから押して高校まで行った。
 長くて急な坂道を越え、駅前に差しかかると、私服姿の明日香が声を掛けてきた。
「絵里奈、家流されちゃったよー。」
ジョークのようなノリで言った。
「あ、あたしも。やんなっちゃうよね。」
「だからねー。」

案外話が盛り上がった。なんとなく重い話なのに、数学ヤダねというノリにしか聞こえなかった。
 突然、
「絵里奈、あたし下宿してるんだー。」
と、明日香が切り出してきた。
「はん?」

間抜けな声を出した。

サイドトーク お久しぶりです。アップが遅れてすみません。私のこと、忘れてませんよね?


Twitterネタで。北原高校のモデルとなった高校のコアな情報を発信するアカウントがあります。@kekouaruaruで検索してみてください☆ジモピーじゃないと分かりませんな。

履修ミスをしました。うん、頑張って付いて行こう。大丈夫、教養科目です。

もう二十歳です。友人の恋愛や結婚の話を聞くと、ドキッとなります。あたしは非モテだろうか。

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ましろ第38話

翌日、私ははっと目を覚ました。周りを見回すと、ほとんどの人がまだ眠ったままだった。
私は制服に腕を通し、炊き出しの準備に出た。


「おはよう、絵里奈ちゃん。」


村上さんが声をかけてきた。


「今日は北原の始業式だっけ。」


「はい。」

「もう3年生だよね。いつも消灯ギリギリまで勉強しててえらいね。」

「一応看護学校に行きたいですし。」


「そう。頑張れ!」

私は腕まくりをして、野菜を切り出した。その日の朝食のメニューは野菜スープらしい。鼻歌でK-POPを口ずさみながら、玉ねぎを刻んだ。


約1時間後に朝食が完成した。たくさんの避難民が列をなし、順番にスープとパンを受け取って避難所に戻った。
 炊き出し部隊が朝食をとったのは、その40分くらい後だった。一口ずつ口に入れた。温かさと程よい塩気を感じた。自分も手伝って作ったスープにすっかり酔いしれてしまった。
食べ終わり、流しで皿を洗おうとすると、鈴木さんが私を制した。

「絵里奈ちゃん、今日は始業式だから後片付けは良いよ。早く準備したら。」

ケータイで確認すると、もう出発の時間だった。私は鈴木さんに礼を言い、かばんを取りに行ってから急いで坂を駆け下りた。


サイドトーク:今日は大学で七夕祭ですが、お医者さんに安静にしろと言われたので直帰です。


最近パニック発作が出ます。なんでかな?

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ましろ第37話

 その夜はなかなか寝付けなかった。母の言っていたことが繰り返し繰り返し蘇ってきた。うちは看護学校は無理だとか、もし看護学校に行けるとしても、看護大学の方がいいとか。それでも、やはり市内の看護学校に行きたい。

――看護学校受験は止めて、就職した方がいいのかな……。

どこからか私に問いかけてくる声がした。


――君は本当に人の役に立ちたいんだよね?


声が頭の中で反響する。

――私は人の役に立ちたい。子どもたちの相手や炊き出しをしていて本当にそう思った。
強く心に念じた。

――役に立つと感じるまで長いが……。それでも看護師になりたいのか?

頭の中でまた声がした。面倒な問答が嫌になってきた。救援物資でもらった布団を被って寝た。


サイドトーク:明日は医大に行きます。どんな先生に会えるか楽しみです

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ましろ第36話

遺体安置所に行った次の日から勉強し始めた。英語と国語は週間課題で使用する問題集を使った。数学は看護学校受験レベルの問題集を津波でなくしてしまったので何もできなかった。生物は授業で使う問題集を何度も解いた。もちろん、避難所の子どもたちの相手や炊き出しの手伝いの合間にした。

 そんな日々が続き、とうとう始業式前日を来た。


 夕食の後片付けを終え、勉強しようとした矢先、母が話しかけてきた。

「絵里奈、真樹と満里奈のいないところで話そうか。」

私は、来るべき時が来た、と感じた。母はそれを知ってか知らずか、私を体育館の隅に誘った。
向き合って座ると、母は話し始めた。


「絵里奈ももう3年生だね。そろそろ進路のことを考えなくちゃいけないね。何か考えてる?」
改めて心にグサリと刺さった。父がなくなり、働き手は母だけとなった。だから、進学は難しく、就職を勧めるに違いなかった。でも、今の意志をちゃんと言わなければ、この場から離れられない。
「今の経済事情からすれば難しいかもしれないけど、市民病院附属看護学校に行きたい。震災後、お母さんが尾形先生の診療の手伝いをしているところを見て、看護師になって人の役に立ちたいって思ったの。」
静かに聞いていた母は一転して、眉をひそめた。


「看護師は人の役に立てるけど、大変なのよ。患者さんはいつ急変するか分からないから休みなんてない。しかも命に関わる仕事だから、あまり患者さんに感情移入しちゃいけない。絵里奈にできる?」
母はそれに続ける。

「もし看護師になるなら看護大学に行ってほしいんだけど、市民病院の看護学校の学費を納めるにしてもムリなのよ。看護学校じゃ今の看護には物足りない部分もあるの。分かる?」

母は言葉の矢を次々に放ってくる。何も返事はできなかった。

 「もう寝る時間だから止めるけど、もうちょっと検討してもいいんじゃない?」
5分くらい経ってから母はそう言って締めた。私はほの暗い闇の中に消えて行く母を見送った。


サイドトーク:最近アップの頻度が落ちました。なるべく1週間を目標にアップしたいです。


ああ、暑いですね。気仙沼より暑くなるのかなぁ?体の火照りが取れません。

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ましろ第35話

「ここだよ。」

母は静かに合図した。私たち兄弟は静かに母に近寄った。絶え間なく、耳には、
「どうしてこんな姿に……。」


「あなたぁ!」

「ママぁ!」

など、亡くなった人を想う人の声が入って来た(小さい声だが。)。

 「パパとの最後のお別れだよ。」


母が言うと、毛布を外した。目に入って来たのは、父の変わり果てた姿だった。体全体がパンパンに膨れ上がって別人のようだし、表情は、痛さ、つらさ、苦しさ、無念さ、……と言った、悲しい表情を全て足し合わせたような表情だった。


「ママぁ!」

妹が母に抱きついて泣き出した。私も、弟も、目が潤んできた。 抑えられなかった。もう泣くしかなかったのだ。

 小さな頃の記憶が蘇ってきた。


「絵里奈は大きくなったら何になるの?」


私は、あぐらを組んだ父の脚の上に座って、聞いた。

「えりなは、かんごふさんになるんだ。」


素直に、言った。母のナース服やナースキャップがかっこよかったから、と。言う不純な理由はなしで
「えらいなぁ。看護婦さんは世のなかや人の役に立つから、頑張って勉強しなさい。」
「パパのおしごとはどうなの?」


何も知らず、素直に尋ねた。


「パパのお仕事は、人の役に立つけど、看護婦さんほど満足した感じがないんだよなぁ。」
父は、ちょっと渋いお茶を飲んだような答え方をした。

 ――パパ、今なら判るよ!


もどかしさも加わって、私はむせび泣いた。

サイドトーク:今日は、県立大学・短大の合同体育祭でした。運動は苦手ですが、軽いノリで参加しました。

一番嬉しかったのは、高校時代のクラスメイトと再会したことです。私の在宅浪人や総合政策学部への入学、だだだ先生の転任にびっくりしていました。


いやあ、再会はいつできるか分からないから、おもしろいんですねー。

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女子力のなぞ

こんにちは!7での初投稿です☆でも、難点があって、officeが2000なんですよね。前使ってたVistaは、かわいい字体があったので、使い勝手良かったんですけどねえ。誕生日にねだってみましょうか。あ、だめか。

さて、今日のテーマは「女子力」です。

女子力というと、女らしい能力の事を指すそうですな。内容は、ファッションだったり、メイクだったり、それに家事だったり、料理だったり……。

女子力は婚活や恋愛、モテで重視されていますね。でも、最近の女らしさって、結構変わっています。料理だって、女の子が彼氏に作ってあげるのが当たり前でした。いまだと、料理男子がモテますが、やはり女の子が料理をしなくちゃいけない空気はまだあります。家事もそうですよね?

でも、家事とか料理は、自分一人ひとりが生きていくうえで最低の能力なので、みんな身に着けておきたいですよね。

しかし、一番厄介なのが、見た目にかかわる女子力ですね。このメーカーの化粧品を使って、このブランドの服を身に着けて……。すべていいものばかりを使っていると、懐がかなり大変なことになります。雑誌によっては、こんなの勝手られっかー!と思うくらいの値段の服も掲載されています。

まあ、女の子が見た目にこだわるのは、かわいく(美しく)いたいのもありますが、やはり男の子と仲良くなりたいというのもあります。私も、結構困ってます。雑誌に載ってる化粧品や服をそろえるのは大変なので、できるだけ安くてかわいいものを選ぶようにしています。それでも、話しかけられなかったら、ショックですよね……。

まあ、男の子はいいなあと思ってしまいますが、女子力にとらわれず、女を自分の収入の範囲内で楽しむ!という境地に至れるようにしたいです。これが、今の目標です。いいバイトの口がないので……。

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ましろ第34話

車は狭い道に入って行った。ただならぬ空気が漂っていた。やはり予感が的中してしまったのだろうか。みんなが沈黙してしまった。


だが、

「パパは面瀬川中で待っているの?」


妹の言葉が空気をかき乱した。まだ小学校低学年の彼女に、父親の死なんて簡単に受け入れられない。
「大丈夫だよ。」

助手席から後部座席の方を向いて、母は言った。でも、私と母は(弟も?)知っている。本当は父との最後の対面をすることを。やはり、幼い我が子につらい事実を突きつけたくないのが、親心だろう。
そうこうしているうちに、中学校に着いた。みんなが車を降りると、母と結子さんを先頭に体育館入口へ行った。母と結子さんが受け付けをしている間、私と妹、弟が何をしているのかは覚えていない。それくらい、悪い予感が頭から離れなかったのだと思う。


「さあ、行くよ。」

母の静かな声を合図に、安置所に入って行った。みんな重い足取りだった。


サイドトーク:皆さんは、朝ドラ好きですか?私は、「おひさま」以来のファンです(笑)。


さて、朝ドラのヒロインで、どちらが絵になりますか?

震災に巻き込まれたヒロインで、


A アラサー?の人で、震災から一年経って自衛官(同じ学校の先生、役場、県庁、警察もあり)と結婚
B 浪人生(受験生)で、震災から1年して大学(看護学校もあり、ていうか、「ましろ」じゃね?)に合格

コメントでの投票お待ちしております(笑)

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ましろ第33話

 校門前の駐車場に連れられた。母は、一台の赤いフィットに声を掛けた。窓が開くと、女の人が母に話した。

「明子と絵里奈ちゃんと真樹くんと満里奈ちゃんの4人だね。じゃあ、乗って。」
私たちは女の人に、「よろしくお願いします。」と言って、フィットに乗り込んだ。私たち兄弟三人は後ろで、母は助手席だった。

「紹介が遅れたね。今日面瀬川中まで運転してくれるのは、同じ看護学校だった結子(ゆいこ)さんです。」

母が言うと、結子さんはよろしくねと言って、エンジンをふかした。

「そう言えば、今日は真樹くんの合格発表だったね。どうだったの?」

「北原に無事合格しました!」


この頃の弟にしては珍しく、嬉しそうな声で答えた。

「良かったねえ。いっぱい勉強して、いっぱい部活してね。何部に入るの?」

「硬式か軟式かは決めていませんが、テニス部に入りたいです。」

弟は、結子さんの質問に、にこやかに答えた。


――どうか、面瀬川中で 無念な姿のお父さんに会わせないで。

私は神に祈った。私も父の死を簡単に受け入れられない。ましてや、祖父母と残酷な別れ方をした弟には、なおさら受け入れづらい。


車がマックスを通り抜け、バイパスの出口辺りにさしかかった。見慣れた景色はそこになく、邪魔をするものもないので、海が見える。青色が濃い感じがした。ガレキが散乱している。ここはもう、地獄の入口のようだった。


サイドトーク:私が面瀬の光景を目にしたのは、震災から19日経った3月30日。見慣れた景色はなく、ガレキが広がり、小さい頃行っていた服屋さんも無残な状態でした。

モテるにはどうしたら良いですか?メイクやファッション、いろんな面からのアドバイスお待ちしております(笑)。

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別れ、そして出会いその2

こんばんは!昨日書くと言ったのに、今日になってしまいましたね。最近ついったばかりなので、お許しください。

盛岡に来た日、妹を除く家族3人と伯父と過ごしました。その日にウィンドウズ7と対面しました。


次の日は掃除と家具のレイアウトでした。それから、父と母とハグして別れました。自分からハグをしたのは初めてです。

それから、伯父との共同生活が始まりました。親からすれば安心ですが、私からすれば恐怖と不安の連続です。伯父とは言え、一つ屋根の下で男女が暮らすのです。普通の女性なら、恐怖を感じるでしょうが、男性は分からないと思います。男性は普段女性から性的にひどいことをされることはほとんどなく、ゲイから貞操を守らなければいけないこともありません。


不安を忘れるために読書をしています。そして、リアルを充実させたいと思います。どうしたら、素敵な女性になれるのかを教えてください。

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